マンションから聞こえてくる「喘ぎ声」に私たちはいかにして立ち向かうべきなのか
マンションで暮らすことは自分との戦いだ。一人暮らしというある種の自立を経て、実家暮らしでは経験できなかったことを、試行錯誤しながらも少しずつ普通の生活に近づけていく。
洗濯物、毎日の食事、部屋の掃除、その他諸々の所作をすべて自分で振舞わなければならない。時にはめんどくさくなってサボってしまうことだってある。それでも生活をしていかなければいけないから、見よう見まねで透明のマニュアルを見ながら精一杯パフォーマンスをする。
そう、つまり一人暮らしは自分との戦いなのである。
そんな一人暮らしのなかで、もっとも大きな問題はマンションから聞こえてくる「女性の“喘ぎ声”」だろう。
「アン…アン…///」といった、大きく呼吸が乱れた女性の色っぽい吐息が聞こえてくるのである。
それはそれは、野性的で本能的でエロティックでありながら同時に美しさも兼ね備えている。不規則なリズムで聞こえてくる喘ぎ声は、どこからか人間らしささえも感じられる。
おそらく声を発している当の本人は、マンション中に響きわたっていることを知っている。知っているけれど、どうしても声が出ちゃうのだ。でもそんな恥じらいが返って性的興奮に繋がり、さらにもっと声を出してしまう。それの繰り返し。
人間の“欲”というのは愚かなものだ。めちゃくちゃお腹いっぱいに食べて、もう無理、食べられない、と思っていても次の日になると、何事もなかったかのように口に食べ物を運んでいる。“欲”には抗うことはできないのだ。
恥じらいは興奮を引き起こすトリガーになる。マンションから聞こえてくる喘ぎ声は、うわぁこんな夜中に嫌だなあと思いながらも、頭の中の70%くらいはエロティックなことを考えている自分がいる。そこから一人で事に及ぶことはないのだけれど、少なからず自分の無意識下で性欲が蓄積されていることは確かである。
しかし、聞こえてくる喘ぎ声から感じられる感情は決してエロティックなことだけじゃない。嫌だなぁとか迷惑だなぁと思うことはあるけれど、それと同時にちょっとの安心感というものも介在している。
それは、家でトイレにこもっている時にふと聞こえてくるテレビの音だったり、電車に乗っている隣のサラリーマンの人がツムツムをしているのを見かけた時だったり、そういう類の安心感である。日常で気にしないようなことを、何気なくふと気にした時に、訪れるちょっとした安堵感。
というか、他人の行為が漏れて、喘ぎ声が聞こえてくる状況なんて、ラブホテルに行ったときくらいしかない。
そう考えると、日常にある非日常ってもしかしたら、マンションから聞こえてくる喘ぎ声のことを言っているのかもしれない。いや、絶対そうだ。
しかし、マンションから聞こえてくる喘ぎ声問題は、迷惑だとか不愉快だとか思う人も多いと思いますが、その声に耳を傾けて、もっと想像力を働かせてみてもよくないですか?
そう、想像。より、リアルに。
その喘ぎ声の発信源は、本当に事に及んでいるカップルから漏れた声なのか、はたまた女性が一人で自家発電をしている声かもしれない。いや、そうじゃなくてセクシーな動画を大音量で流していて、それがマンション中に響き渡っているだけなのかもしれない。
しかし、いずれにしろ喘ぎ声がマンション中に響き渡っている状況に変わりはない。だから、聞こえてくるわずかな声だけを頼りに、頭をフル回転させなければならないのだ。
官能小説を読んでいる時のような、気になっている女性を思い浮かべている時のような、そんなイマジネーションを全身全霊で働かせるのです。
これはある意味、自分との戦いだ。
マンションから聞こえてくる喘ぎ声に対して「想像力を働かせる」という解決策を見出している時点で、自分自身に対する気味の悪さを絶賛実感中でありますが、何とか踏ん張って正当化しておくことにします。
では、そんな「アン...アン...///」といった喘ぎ声に対してどういうアクションをとれば良いのか?
もうこれは、こういうもの、つまり「生活音の一部」である、と言い聞かせるのがベストでしょう。
洗濯機の音、エアコンの音、料理をしているときの音、これらの生活音に加えて、どこからか聞こえてくる女性の喘いでいる声も入れてしまえば良いわけです。
そう、喘ぎ声は生活音の一部である。
これです。
めちゃくちゃ簡潔な答えが出ましたね。
駅の改札前でイチャイチャしているカップルが、日常のワンシーンとして普遍的に見られるようになったように、広い心を持って受け止めてあげましょう。
それは短期的に見れば抵抗を覚えるかもしれませんが、長期的に見れば幸福感や平和に繋がっているのです。少子高齢化だって解決します。見事にwin‐winの関係になっていますね。
マンションから聞こえてくる何気ない「喘ぎ声」が世界を変える日が、近いうちに訪れることでしょう。
今この記事を書いているのは夜中の4時15分です。いったい何を書いているのでしょうか。
欲望に素直になって生きる方がよっぽど心地良い気がしますね。
...何の記事でしたっけこれ?
まあ、そういうことです!それでは!!!!!!!!!!!!