Gummy Gummy Night Festival

時間を旅する宇宙飛行士

グミが大好きです。よろしくお願いします。

うつ病と薬と価値観と

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寝静まった病棟に、かたいノックの音と共に医師の先生が入室してきて、被害妄想が頭の中を巡ったまま横たわる僕に向かって、突然、“余命宣告”を受けたら、その瞬間何を思って、この先の人生どうやって生きていこうって思うんだろう。
 
たぶん、死を待つその瞬間まで、今までの人生、オギャーって生まれた時から、今からこの時間までの記憶を、走馬灯のように頭の中に思い巡らせるんだろうなぁ。
 
両親から僕という命をいただいたこと。
出産祝いの記念撮影をしたこと。
「ママ」って初めて言えたこと。
おぼつかないヨチヨチ歩きから、必死に両足で立とうとしたこと。
初めて友達が出来たこと。
何度も挫けそうになりながらも、初めて補助輪無しで自転車に乗れるようになったこと。
幼稚園を卒業して、小学校に入学。入学式のときは、友達できるかなとか、ちゃんと学校生活送れるかな、なんて色々考えながら、恥ずかしながら両親と会場前で一緒に一生の記念撮影したっけ。
 
もっとある。思い出や記録なんて数え切れないほど、たくさんある。今の今まで支えて下さった人に「ありがとう」を伝えたいけれど、とてもじゃないほど「ありがとう」の5文字じゃ全く足りない。でもこの「ありがとう」の5文字には言葉では言い表せないくらい、ギュッとあらゆるものが詰まっている。
 
小・中・高、そして大学と、義務教育とその延長を、当たり前じゃない両親の支援と共になんとかやってこれた。そして、今年の4月からは、新卒・新社会人として、見たことのない「社会」という景色の中に飛び込むことになった。
 
「社会は残酷で辛い」というようなことを、就活のセミナー、度重なる過労自殺のニュース、社会の現実を3割増しで俯瞰しながら語るインターネット、その他諸々、日々目にするもの全てから、頭に叩き込まれてきた。それがいつの間にか固定観念として深く心の中に根付いてしまっていた。
でも、どうこう足掻いたって現実は現実で、それは変えようのない事実で正面から向き合って行かなきゃいけない。
 
自分が一社会人になるということ。働くということ。正直、まだまだ先だなんて楽観していた。
4月から働き始めて、まだ全然慣れない社会人という生活に戸惑いながら、何番煎じか分からないくらい自問自答を繰り返していた。「本当にに今、目の前の仕事が自分が心からやりたいことなの?」「なんか思っていた仕事と違ったなぁ」「こんなんで自分、この先やっていけるのかなぁ」なんて正解のない問いを投げかけながら、止められない日常に流されて、ただただ朝起きて会社に足を運んでいた。不安と期待が五分五分くらいの割合で入り混じった4月から、月日が経過していくにつれて、思い描いていた理想や希望は消え失せていき、死にたいのに死ねない欲望に駆られて、僕は感情を失い会社に行くロボットと化していた。本当に「辛い」という3文字では表現できないくらい辛かった。
 
会社帰りにときどき出会う、夢を見る路上ミュージシャン。学生の頃なら、立ち止まって、音楽を素直で純粋な心で聴いてたっけ。だけど今は「夢なんか見てないで、もっと現実を見ろよ」ていうような、何者にもなれない怒りから生じた心の闇が剥き出しになっていた。そして、こんなことを思う自分を嫌になって、また無意識に自分で自分の心を黒く塗りつぶしていた。
 
寝る前は心臓がバクバクで寝れなくて、朝起きてもいつもの不安は払拭できてなくて、プログラミングされた機械のように足を家から踏み出す。休みの日はなるべく家に引きこもらずに、友達と遊んだり、イベントに参加したりしていた。けれど楽しい時間はあっという間で、すぐに現実がやってくる。毎週振り出しに戻された気分になる。
 
本当に限界だって思ったとき、僕は勇気を出して、「辛いです」と、きちんと言葉にして今の現状と揺らいでた気持ちを全部打ち明けた。その結果、ありがたいことに会社からお休みをいただいた。ここから先は記事のタイトルを見て、察していただければ幸いです。
 
「お前甘えてんじゃねえよ」
「これが現実なんだよ、逃げるなよ」
「もっと辛い思いをしている人なんて沢山いるよ?」
 
でも、本当に辛かったら、逃げても良いと思う。だって、自分の人生なんだから。死ぬときになって、病棟のベットに横たわりながら「楽しい人生」だったなぁって言いたいもん。
 
他人にとっては良い人生って思われなくても、自分にとって心から良い人生だったって思えたなら、僕はそれだけで生きてきた意味があると思う。
 
「辛かったら、逃げても良いんだよ。」
会社の人が言っていたこと一言が胸に深く突き刺さる。
ずっと何かに縛られていた。
見えない何かに縛られていた。
でも、逃げて初めて気付くことがある。
 
それは、縛っているのは自分自身だったってことに。
 
 
もう少し生きてみようかな。いつまでも分からない社会の中で。