受け取った色、選んだ色。
―——これは生まれる前の出来事——―
胎盤にて。
僕は死んだ。何回目かの輪廻転生。前世の記憶はもうないけど、ここにいることが初めてじゃないことはなんとなく分かる。死んだときに記憶が完全に抹消されなかったみたいだ。たまに外の世界から、何か言葉が聞こえる。言葉は完全に理解は出来ないけれど、聞こえてくる度に早くそっちの世界に行きたいと思う気持ちが強くなる。その前にまた、ヤツが来る。
——「君に色をあげる。未来を担う君に色をあげる。何色が良い?」
僕は答えない。分からなかったから。
——「分からないなら、とりあえず赤色をあげる。未来で活用してね。」
そう言って去って行った。僕は赤色を胸に仕舞い込み、胎盤生活を謳歌した。
数日後。
——「おはよう。元気かい?ずいぶん赤い目をしてるけど大丈夫?」
僕は俯いたまま、何も言わなかった。
——「赤色だけじゃ満足できないかなって思って、また来たよ。次は何色が欲しい?」
僕は咄嗟に言葉が出てこなかった。
——「じゃあ今度は、橙色ね。はい、あげる。」
僕はまた、不思議な気持ちを感じながら、胸に色を仕舞い込んだ。
来る日も来る日も、僕は誰かに色を与えられ続けた。そんな日々を過ごしながら、僕はどこからか少しだけ強くなっていた気がした。
そしてついに時は来た。
僕が生まれる1日前。また知らない誰かがやって来た。
——「君に最後の色をあげる。躊躇わず受け取ってね。」
そう言われて僕は紫色を受け取った。
そして誰かさんはこう続けた。
——「君が今まで受け取ってきた色、ちゃんとまだ持ってる?くれぐれも混ぜないでね。絶対だよ。」
僕は思った。
——「もっと早く言ってくれ...。」
胸の中の色が少し滲んで、黒くなっていた気がした。
でも何故「混ぜるな」と警告されたのか僕には分からなかった。
——「そろそろ行くね。混ぜるな危険、没個性。」
知らない誰かさんは、こう言ってその場を後にした。
僕は、最初から最後まで不思議な人だなぁと思いながら、生まれる準備をした。
そして、僕はこの世に生まれた。
見たこともない景色に魅了され、名前も知らない人たちもたくさんいた。五感が急に振動し始めた。
すると僕は、あの不思議な出来事を思い出し、咄嗟に心ポケットを見た。
それは、無色透明に輝いていた。
おわり。
「いないいないばぁっ!」の遊びをもっと面白くする
皆さんこんにちは、こんばんはfloatです。
突然ですが、皆さんは「いないいないばぁっ!」という遊びをご存じでしょうか?
いないいないばぁっ!とは、顔を手で隠し、「いないいない...」と数秒連呼した後、手をはずし「ばぁっ!」と言う、赤ちゃんだけでなく、1~2歳ぐらいの子どもを楽しませる、世代を超えて愛される遊びです。
「いない」のに「いる」というギャップ、「ばぁっ!」という何の躊躇いもなく顔を赤ちゃんに近づける行為によって「笑い」が生まれ、赤ちゃんに本来の笑顔が取り戻されます。赤ちゃんの笑顔は私たちの心までも笑顔にしてまい、お互いにwin-winの関係が成り立ちますね。
そんな「いないいないばぁっ!」遊びですが、もっとユニークなアイデアでいくらでも面白くすることが出来ると思うのです。
そんなわけで、「いないいないばぁっ!」遊びがもっと面白くなること間違い無しの5つの方法を取り上げたいと思います。
1.実況中継する
「さぁーーー!!ついにこの時がやってきました!!第5回いないいないばぁ選手権!!果たして栄光のトロフィーを手にするのは一体誰なのでありましようか!?期待が高まります!!では早速、第一回戦の選手の入場です!!おーーーーっと赤さん選手、覚えたての四足歩行のヨチヨチ歩きだぁあああーーーーー!!!!そしてこの美しいフォルム!!ものともしない身軽な格好!!軽快な四足歩行のステップは私たちの情熱さえ奪っていきそうですね!!!!ここで試合前の赤さん選手に一言頂きたいと思います!!どうですか?今回の意気込みは....!?おーーっと確かに!!今、確かに、「頑張ります!」の一声が聞こえました!!!赤さん選手、気合いは充分のようです!!ではそろそろ参りましょう!!いきますよーーーー皆さんーーー!!!準備は大丈夫かなーーーーーー!!?一緒にカウントダウンしましょう!!!はい!3...!!!2.....!!!!1............!!!!!!!!!」
母「いないいないいない...ばぁっ!」
マイクを使用すると尚良いですね。
2.オペラ歌手風に言う
「いな~~~い↓いな~~~~~~~~~↑い~~~ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~」
シューベルトの「アヴェ・マリア」っぽく歌うことが出来たら完璧です。
また、最後の🎵ばぁ~~~の伸ばすところはビブラートをガンガンに効かせて美声を披露すると良いと思います。
ただしこれのデメリットは、やり過ぎると喉が潰れるといったことでしょうか。やる時は自己責任でお願いします!
3.無駄に「いない」を連呼
普通は「いない」の回数は4、5回くらいがちょうど良いとされていますが、今回の場合は出来るだけ多く連呼しましょう。少なくとも20回は「いない」を言いたいところです。
また、この方法は応用がいくらでもききます。例えば、アホみたいに「いない」を連呼することによって「いつ(「ばぁっ!」って)言うねん!!」というツッコミをされ、そこから笑いが生まれます。
あるいは、「いない」を20回くらい連呼した後、急に真顔になって何事も無かったかのように言うのを止める方法もあります。「止めんのかい!!」というツッコミが来れば大成功です。
このように色々と応用が効くので、試行錯誤しつつ試してみるのも一つの手ですね。
4.「ばぁっ!」を「いる」の連呼に変える
「いないいないいない.....いるいるいるいるいる!!!」
FUJIWARAの原西さんが一発ギャグでやっていたような気がしますが、そっとしておくことにしましょう。
「いないけど「いる」、そのギャップをそのまま言葉で表現することによって笑いに繋げるという高度なテクニックです。
特に「いるいるいる...!!」の箇所は、尋常じゃないくらいのテンションで連呼すると尚良いです。ここで注意する点は、やっている本人は決して笑ってはいけないというところです。出来るだけ真顔でやるのがベストでしょう。
5.いないいないばぁっ!(バンドver.)
バンド編成でやるという最終手段です。
誰に歌ってもらうのが一番しっくりくるか考えて見たのですが、あまり浮かびませんでした。強いて言うならGLAYのTERUさんでしょうか。
また歌う際に、少年隊の仮面舞踏会のイントロみたいに、狩野英孝のネタみたいに、「いないないないないないなディアっ!!」と言って仕舞わないように気を付けて下さい。こうなると「いないいないばぁっ!」でも何でもなくなりますので。
...いかがでしたでしょうか?
古くからある日本の遊び「いないいないばぁっ!」を、皆さんも面白おかしく自分なりにアレンジしてやってみてはどうでしょうか。
それでは今回はこの辺で!!
ではでは!★★★★
カップラーメンのフタの上に乗せたいオシャレアイテム5選
(出典元:日清食品グループHP)
皆さんこんにちは、こんばんは、floatです。
突然ですが皆さんは、カップラーメンを食べていますか?
巷で溢れ返るカップラーメンの数はどどまる事を知らずに、味も実際の店舗に負けずとも劣りません。
お湯を注いで3~5分待つだけで、そこには空腹を満たすためだけに作られた即席麺類が完成します。君の名はそう、カップラーメン。
ちなみに皆さんはカップラーメンにお湯を注いだ後、フタの上にスープの素やお箸を乗せて、カップラーメンの容器を密封しようと行動するでしょう。
しかし、僕はカップラーメンにフタをするためなら手段は選ばなくて、その辺にある菓子パンやティッシュの箱などで代用してしまいます。
そこでふと思ったのですが、カップラーメンのフタの上に何が置かれていればオシャレと感じられるのでしょうか。
そんなわけで今回は「カップラーメンのフタの上に乗せたいオシャレアイテム」を5つ取り上げたいと思います。
では参ります。
1. 札束
誰がどう見てもオシャレです。トレンドを先取りしていますね。
札束をカップラーメンのフタに乗せることによって、お金持ちということをちゃっかりアピールしつつも、昼食はカップラーメンで済ますというギャップがたまりませんね。これで恋に落ちる人は多いのではないでしょうか。
一つだけデメリットを挙げるとすれば、濡れたら終わりということでしょうか。
2. ライター
タバコは一緒に乗せずに、あえてライターのみです。無くしやすいライターもカップラーメンのフタに乗せておけば、無くなる心配もゼロですね。
またカップラーメンが冷めてしまった場合も、最悪ライターを使って炙れば美味しさを取り戻せるので、実用性も抜群です。
万が一、カップラーメンが好ましくない味だったとしても、水さえ用意出来れば、また新しく作ることが可能なので利便性も高いです。
3. 車のカギ
車のカギも無くしやすいアイテムの一つと言えるでしょう。カップラーメンのフタに乗せるものは絶対に車のカギにするという自分ルールを作っておけば無くす心配もないでしょう。また、車のカギを乗せておくことで、この後どこかに出掛けるのではないか、つまり忙しい人なのではないかといった印象を与えることが出来るので、意識高い系の人たちには持ってこいのアイテムと言えるでしょう。
3分経った後、物凄い勢いでカップラーメンを掻き込む姿が容易に想像出来ます。
4. カマンベールチーズ
正直、カップラーメンのフタに乗せるオシャレアイテムグランプリ優勝レベルです。
お酒も横に添えてあればなお良いですね。
溶けかかったカマンベールチーズを、熱々のカップラーメンに入れればもうそれは言葉にできないほど、幸せを感じることが出来るでしょう。小田和正も喉が枯れるくらい熱唱するでしょうね。
5. ムスカ大佐のフィギュア
どうやら3分間待ってくれるらしいです。しかし3分という時間を嗜むのはカップラーメンを作っている「僕」と「カップラーメン自身」です。決してムスカ大佐ではありません。「僕」と「カップラーメン」の間には「食べる」ー「食べられる」の関係が存在し、その中にムスカ大佐が入る術は微塵もありません。ただ食べている「僕」を傍観しているだけです。
でも3分という時間はきっちり守ってくれそうだし、ルックスも悪くないのでオシャレアイテムとして十分適していると思います。
...どうだったでしょうか。
カップラーメンのフタの上に乗せたいオシャレアイテムを5つ挙げました。
どれもこれも誰がどう見てもオシャレだと思うので、もしリビングに置いてあった場合は、カップラーメンのフタに乗せて見るのもアリなんじゃないでしょうか。
それでは今回はこの辺で!
ではでは!!
「お~いお茶」の「お~い」は何なのか考えてみた
(出典元:伊藤園HP)
こんにちはこんばんは、floatと申します。
突然ですが皆さんは「お~いお茶」という商品をご存じでしょうか?
そうです、綾鷹でもない、爽健美茶でもない、伊右衛門でもない、紛れもない「お~いお茶」です。
今回はそんな「お~いお茶」の「お~い」って何!?
という些細で素朴な疑問について考えていきたいと思います。
では参りましょう。
1. お~い=多い 説
お~いお茶、すなわち多いお茶です。私たちが普段よく目にするのは500mlのペットボトルの容器で、これに対して量が多いということは1度も感じたことは無いのですが、どうなんでしょう。むしろ、すくな~いお茶です。
しかし、1.5ℓのペットボトルてあれば多いお茶と言うことが出来ると思います。実際多いですしね。
2. お~い=誰かを呼んでいる 説
「お~い!」
確実に誰かを呼んでいますね。しかも結構遠い場所から呼んでる気さえします。しかしどの類の「お~い」なんでしょう。
久しぶりに会う予定の友人。待ち合わせの途中で、ふと何か幼い頃の面影が薄らと記憶の片隅に挨拶してきて、もしかしてあの人じゃないかと、少し緊張しながらも友人と思われる人物に掛けた一言「お~い」なのか、
私は家庭教師。受験を間近に控えた中学3年生の生徒に、今までずっと教えてきたが、一向に成績が伸びない。このままでは志望校に受からないかも知れないというプレッシャーと危機感を感じながら、精一杯気持ちを振り絞って生徒のためを思って教えることに固執する。一度やった問題を解かせても、あまり覚えていない。そんな時、家庭教師の先生が放った若干のプレッシャーと怒りを込めた一言「お~い」なのか、
江頭2:50の「1クールのレギュラーよりも1回の伝説」という名言ならぬ迷言を残す、意味不明理解不能なテンションから放たれる一言「お~い」なのか、どんなシチュエーションでどんなテンションで言ったのかなんて定かではありません。
3. お~い=おいしいの略 説
おいし~い ⇒ お~し~い ⇒ お~シィ~い ⇒ お~~い ⇒ お~い
完璧ですね。「おいしい」を寝言を言ってる時のような何を言ってるか分からないぐらいの声の小ささとテンションで言えば完璧に「お~い」と聞こえること間違い無しです。
ただし、「おいしい」の「し」の部分の強く耳に残って、「お~し~」と聞こえる恐れが懸念されますが僕は知りません。
4. お~い=大井さんが商品名考案した 説
自分が見つけた新たな天体や星には自分の名前が付けられるのと同じように、やはり人間たるもの、第一の発見者や考案者の方は名を後世に残すため、自分の名前を付けたがるものです。
それと同じようにやはり第一考案者の大井さんは、私の名前を商品名にしなければ全社員をクビにすると豪語したものの、賛同が得られなくて、それでもなお負けるものかと社長の意見までも捻じ曲げ、試行錯誤した結果、ようやく名付け親の権利という名のトロフィーを手にしたのでしょう。大井さん、実在する人物であれば僕は光速でスライディング土下座をかましたいと思います。
というわけで色々な説を考えましたが、答えは何なのでしょう。早速グーグル先生に尋ねてみたいと思います。どの説が正解なのかワクワクですね。
先生に尋ねた結果「昔のCMで俳優さんが「お~いお茶」と呼びかけるシーンがあり、それが視聴者の人々に好評だったため、元々「缶入り煎茶」という商品名だったものを変更して、そのまま「お~いお茶」にした」でした。
「お~い」に意味はありませんでした。
お茶に飲まれてきます。
さようなら。
台湾旅行記 VOL.3
いよいよ3日目です。3日目は友人の留学生の友達が台湾に帰国しているということで、一緒に行動することに。
11時過ぎの出発とかなり余裕を持ちながらホテルを出ました。またちょうど昼時の時間帯だったこともあり、とりあえず腹拵えをすることに。
ここでは留学生の方が気を使って頂き、本場の小籠包を食すことに。早速そのお店までMRTを利用して向かいました。
20分もしないうちに着きました。
鼎泰豊(ディンタイフォン)というお店です。小籠包の本店ということもあり、平日の昼間にも関わらず人の数が尋常ではありませんでした。ムスカ大佐がもしあの場にいたら、間違いなく名セリフを叫んでいるでしょう。
約1時間くらい待ち、私たちは店内へと足を運びました。また店員さんの胸には、幾つかの国旗のバッチが付けられており、その国旗の国の言語を話すことが出来るという目印となっていました。バイリンガルやトリリンガルの人たちが当たり前にいるこの空間に、殺伐さと活気を感じながら注文した料理が運ばれてくるのを待っていました。
そして運ばれてきた料理がこちらです。高級感がヤバイです。小籠包から感じるセレブリティ溢れるその姿に惚れ惚れしながら、外見だけじゃなくて、中身もさぞかし素晴らしいんだろうとやや嫉妬の感情も含めながら、箸で小籠包を華麗に包み込みレンゲに乗せ、その姿、形、容姿を心行くまで嗜み堪能させて頂きました。
レンゲに小籠包を乗せ食べようとしている僕と、レンゲという最高のパートナーの上に乗せられ喜びの感情を抱いているであろう小籠包。このお互いに最高のフィーリングでぶつかり合った状態は、もはや生きていて良かったといったという低次元の感想では済まされないほど高次元のレベルで僕の頭の中はサーカス状態であり、ユートピアに満ち溢れていました。
一度口に入れると、小籠包の肉汁が口いっぱいに溢れ出し、今までで味わったことのないような香りと共に、味を感じる器官である味蕾にまとわりつき、無意識と美味しいと発していました。彦摩呂なら間違いなく「肉汁のサーカスや~」と表現するでしょう。
「最後にデザートが食べたい」と誰かがこう言い出したので、何か頼むことに。色々な種類のデザートがあったのですが、ふとテーブルの端のメニュー表を見ると「チョコレート小籠包」なるものが咄嗟に目に入り、これは頼まざるを得ないということで、多少の勇気を振り絞り注文することに。
そしてやってきたのがこちら。
思ってたよりチョコの主張が凄い。
熱いうちに食べたほうが良いということで早速お箸で摘み、食べてみることに。というかチョコを包んでいる小籠包はどんな気持ちなんでしょうか。本当はお肉、エビ、蟹味噌などを包み込みたいのが小籠包の本音なんでしょうけど、チョコレートを包んでいる気持ちは如何なものなんだろう。
普段は全然人が集まるパーティやBBQなどには足を運ばないけれど、友人から誘われたので気分も乗らないまま渋々行くことになったが、行ったら行ったらで意外と楽しくて、猫被っていて普段の自分は出せなかったものの、新たな自分が再発見出来たような気持ちなんだろうか。「チョコレートを包むのもアリだな」、と小籠包自身が少なからず思ってくれれば、僕はこの目の前の小籠包を曖昧な感情抜きで食べることが出来る。だからせめて悲しまないで貴方は貴方らしく、小籠包らしくいてほしいと願いながら僕は口に近づけていくのであった。
肝心の味の方は、全員一致で「意外と合う、むしろ美味しい。」でした。チョコとどのような形で口の中にパフォーマンスが繰り広げられるのか期待していたが、思った以上に良い具合に絡み合っていました。何よりチョコと小籠包、それぞれの長所が互いに喧嘩せずに相互作用し合い新たなハーモニーを作り出している。これはもはや芸術と言っても良いでしょう。
私たちは、凝縮された時間と小籠包の味を嗜み、鼎泰豊を後にしました。
次の目的地に行くまでに辺りを散策していると、何やら賑わっているところが。
そして色々と見渡していると、こんなものが売っていました。
このセクシーで美しすぎるボディ、腰のくびれ、細いウエスト、どこを取っても完璧と言わんばかりの体でしょう。また色がリアル過ぎて、逆に気持ち悪さが際立っています。ちなみに男性の裸体バージョンもありましたが私たちは、一瞬たりとも見ることはせず、無意識と女性の方に関心が向いていました。
大学生の20代前半の3人が、女性の体に似せて作った飲み物をマジマジとこれでもないあれでもないと、どれを購入しようか悩んで試行錯誤しているこの光景は、傍から見るとさぞかし滑稽で気持ち悪い光景だったに違いありません。この時だけはきっと、小学生並みの精神年齢だったんだと思います。友人2人はその場のノリで購入していましたが、僕は冷静に考えたらいらないと思い購入しませんでした。
時間が割と押していたので、私たちは次の目的地である台北国立故宮博物院に行くことに。ちなみにこの故宮博物院は、世界4大博物館の一つで、古代中国の歴史的価値のあるお宝が約70万点も展示されているらしいです。
これはもうポケモンのチャンピオンロードと言っても過言ではないでしょう。待ち構える数々のトレーナーが、四天王に挑戦する者を一人残らず裁いていく姿が容易に想像出来ます。今までの旅で培ってきた経験値と勇気、磨いてきたセンスを全てぶつけるかの如く、友人の階段を一段一段と踏みしめるその背中は逞しかったです。メメントモリ。いつか必ず死ぬことを忘れるな。そんな名言が聞こえた気がしました。
チャンピオンロードを抜けると立ちはだかってきたのは、the中国の建築様式とも言えるべき建物でした。仮にポケモンリーグと名付けても全く違和感がありません。おそらくチャンピオンはドラゴンタイプのポケモンを繰り出してくるでしょう。
写真を何枚かとった後、博物館を見学することに。普段は17時までの営業時間でしたが、何故かこの日は21時まで時間を延長してやっていました。
正直、台湾の歴史を全く知らず、無知の状態だったので、本物の感動は味わうことは出来ませんでした。おそらく台湾の歴史に精通している人は、脳内から有り得ないほどのドーパミンを吹き出すのでしょう。そのレベルに達するにはあと1万年はかかりそうです。しかし、浅はかな知識ながらも見ていて楽しかったです。間接的ではありますが、中国の歴史を少しは学べた気がしました。
そして博物館を途中まで見学し終えた後、朝から一緒に行動していた留学生の友人とお別れすることに。台湾についての有益な情報をたくさん教えてもらい、本当にありがとうございました。私たちもとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
そしてこの日はずっと歩き回り、バスも座ることが出来ずにずっと立っていたこともあり、足が悲鳴を上げていました。気持ち休憩し、次の目的地である士林夜市へと向かいます。
夜市までのバスがあるかどうか心配でしたが、なんとか間に合いました。バスの一番後ろの席に座ったのですが、有り得ないほどの振動が体を襲い、マッサージではない危ない違和感を感じながら、夜市まで暇を持て余していました。
15分ほどで夜市に着き、最後の台湾の夜を満喫するぞという心意気で夜市までの道のりを一歩一歩踏みしめながら歩きました。なぜなら明日の朝は有り得ないくらい早起きしなけらばならず、少しでも遅れると最悪フライトに間に合わず、帰れないかもしれないという事態に成りかねないからです。なので台湾を満喫出来るのも、この夜市での数時間のみです。これまでの旅行を頭の中で思い巡らしながら夜市まで行きました。もし旅番組だったら間違いなくMr.Childrenの「終わりなき旅」が流れているでしょう。
夜市までの道のりを歩いていると、こんな看板を見つけました。
寄ってみるとこんな感じ。
トイレではありません、レストランです。ちなみに友達は、本物のトイレと間違えて普通に店に入るという失態を犯していました。そもそも便所というレストランの名前はもうちょっとどうにかならなかったのでしょうか。もし友人に「便所でカレー食べてきたわー」なんて言われた日には、僕はもう人間不信になりそうで怖いです。
今回はトイレっぽいレストランを取り上げましたが、逆にレストランっぽいトイレは存在するのでしょうか。外観はレストランなんだけれど、中は紛れもない立派なトイレ。「ご注文はお決まりですか?」の回答に、”大”か”小”かで選ぶことが出来ます。汚いですね。この話はやめましょう。
さらに私たちは歩き、いざ夜市に一歩足を踏み入れると、そこは屋台屋台屋台の嵐。もはやどこかのお祭りに来たかのような錯覚を覚えました。屋台では台湾でしか食べることの出来ない現地の有名な食べ物から、臭豆腐やカエルの飲み物(?)など多種多様な種類で埋め尽くされていました。それにしても臭豆腐のにおいは未だに慣れません。においだけであの食感と後味が想起されます。
僕は牛肉の何かとパスタを友達とシェアし、加えて鶏肉の串焼きを購入しお腹を満たしました。また屋台だけでなく、お祭りでよく見かける縁日もあり程よく賑わっていました。
このような活気溢れてエネルギッシュな夜市が毎日のように開催されていると思うと、本当に現地の人たちはパワー漲っていて何より元気が有り余っているんだなぁと感じました。
また、夜市にはお土産売り場もあったので、九份で買い損ねたお土産を買うことに。現地の人は、私たちが一度お土産売り場に顔を覗かせると、狙った獲物は絶対逃がさない精神が炸裂し、私たちにグイグイと迫りよってきます。僕は内心、わざわざ丁寧にありがとうと思いながらも満面の笑みで罪悪感交じりで「No,thank you」と言い、その場を立ち去りました。あの時、やたらグイグイ来てくれたおばあちゃんは元気なんだろうか。でもグイグイに負けてパイナップルケーキを買ったのでどうか許して下さい。そして何より健康に気を付けてこの先も幸せに生きてください。なぜか母への手紙っぽくなりましたが気にせず次に行きましょう。
夜市を出ようとしたら、こんな看板が。
僕はまだお子ちゃまだったので、この看板が何を意味してるかは分からなかったですが、友人は妙にテンションが上がっていたので、僕は温かい目で見守っておきました。強いてこの看板に一言添えるなら、「ドストレート過ぎるのでもう少しオブラートに包んで欲しい」ということですかね。
士林夜市を後にした私たちは、まだ時間に若干余裕があったので、行くか迷っていた超高層ビル台北101タワーへと足を進めることに。
MRTに30分くらい揺られ、台北タワーに到着しました。タワーがライトアップされていると思って夜景を楽しみにしていたのですが、全くライトが点されていませんでした。また、あいにくの雨で風も吹いており、私たちの心も同じように曇っていました。
そしてタワーの近くには、かの有名なLOVEのオブジェが。
よく画像やメディアで見かけるやつです。私たちはこのLOVEのオブジェを見て、「もし一晩ここで泊まるなら、どこのスペースが一番快適に過ごせるか」という議論をしていました。結果は”L”の広いスペースと、”E”の上半分のスペースが一番快適なのではないかという結論に至りました。特に”E”の上半分は天候にも左右されず、割と快適に過ごせると思います。それに比べて”L”はスペースは充分に確保されているものの、雨が降ってきたらおしまいというデメリットがあるため、快適さはやや劣ります。逆に最も不快なスペースは”V”の中という結論に至りました。特に寝る時なんかは、尋常ではない閉塞感に襲われます。これは間違いなく金縛りに遭うでしょう。むしろ既に物理的に金縛りに遭っています。
時刻は11時過ぎ。雨風も強くなってくる前に私たちはMRTに乗り、ホテルに向かいました。
もう3日目になるとホテルが懐かしく、生まれ故郷のように思えてきます。侘しく寂しくも哀愁漂うノスタルジーを感じさせるようなこの気持ちに僕は、正直になれませんでした。居場所の大切さを思い知らされた瞬間でもありました。
時刻は11時過ぎで、やや小腹が空いてくる時間帯。台湾旅行最後の締めは、1日目にもお世話になったホテル近くの屋台で玉子麺を購入し、旅行の思い出を振り返りながら「やはり安定で美味い」と深夜のカップラーメン効果にも気付く余地もなく、最後の疲れきった身体を振り絞り、堪能していました。
また、屋台のお姉さんから滲み出る優しさと温もりによって、私たちはいとも容易くハートを鷲掴みされました。むしろ惚れる以外の道筋は残されていませんでした。もしチャンカワイがその場にいれば、「惚れてまうやろ~!」を鼓膜が破れるくらいの至近距離で2千回くらい叫んでいると思います。
そんな、もう二度と会うことの無いかもしれない屋台のお姉さんとお別れして、私たちの故郷であるホテルへと向かいました。
ホテルに戻ったのは0時過ぎ。しかも明日は6時起きと、訳が分からないくらい早い起床時間だったので、私たちは忍者のように支度を済ませ、光の速度でベッドインするはずもなく、結局ダラダラ駄弁っていて気付いたら4時でした。
ちなみにこの日の会話の内容は「イントロドン」で、実際に友人のiPodを使用し、イントロクイズ大会を開催していました。テレビでたまに見るイントロドンですが、やってみると以外と難しいことが実感出来ます。そもそも開始数秒だけ聴いて曲名を当てるというような状況は、普通の日常生活ではあまり体験することが無いため、困難を極めるのも当たり前です。
よって、イントロドンを極めるためには、イントロドンに特化した、開始数秒を聴いて歌手名と曲名を思い出す訓練をしないと厳しいと思いました。
イントロを聴くと、何となく分かる、メロディとAメロも口ずさめるけれど、何故か曲名が出てこないこのもどかしい感じは、普段の日常生活ではあまり経験出来ないし、脳の活性化にも繋がると思うので、友達同士でイントロドン大会をやってみるのもアリだと思います。ちなみに私たちはアホみたいに2時間くらいやってました。
気付いたら4時になっていたので、このまま寝ると最悪明日起きられない可能性が否定出来なかったので、オールしようと思ったのですが、流石にちょっとは寝たいという願望から、申し訳程度で1時間ちょっと寝て6時過ぎに起きました。
前日にホテルを出る準備は万全だったので、特に焦ることもなく故郷と化したホテルを出ました。テレビ番組であれば、間違いなく泣かせにくるシーンでしょう。
7時30分過ぎのバスに乗り空港へと向かいます。当初の予定では、ホテルから空港まで3時間くらいかかるので7時30分のバスに乗らないと最悪フライトに間に合わない可能性があると聞かされていたのですが、なぜか30分くらいで空港に到着しました。滅茶苦茶朝早く出たため、空港で時間が有り余ってしまい、もうちょっと長くバスに乗っていても良かったんじゃないかと、早く着きすぎた余裕さから若干のふざけた感情も出ていました。
フライトの時間までは空港内でご飯を食べたり、お土産を見ていたり、通過を交換したりと時間の余す限り出来るだけ有意義に過ごしていました。
11時45分間近になり、フライトまでの手続きをします。しかし逆に私たちは早く着いたその余裕さから、フライトに遅れそうになるという失態をしてしまったので、とてもヒヤヒヤしてしまいました。
人生においても、何かと余裕があると逆にだらけてしまうのと同じように、ある程度の緊張感やプレッシャーは必要で、それが人生に幸福感や達成感、生きる希望をもたらすと思います。
安心は怠慢を引き出し、絶望は幸福を引き出す。
やっぱり人生って一直線だとつまらない。絶望という邪魔者と共に道を踏み外したら見える景色も違ってくると思います。
こんなことを考えながら、かなり急いで飛行機に乗り込みました。電車であれば次もあるからいいかと諦めることも可能ですが、飛行機はそうは行きません。というより飛行機に乗るためにあんなに急いで走ったのは初めてです。本当に迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。「you are late!!!」スタッフの人に言われた言葉です。もう忘れません。
飛行機に乗り込むやいなや、すぐに動き出し、離陸します。僕は眠けがピークに達していたので、ファインディングドリーを見つつも深い眠りについていました。ファインディングドリーを見て10分くらいで睡魔に襲われたので恐らく内容の9割は理解出来ていなかったでしょう。ほぼ睡眠用BGMと化していました。贅沢すぎる睡眠ですね。
2時間半くらいのフライトを終え、無事に生まれ故郷日本に帰ってきました。
その後はそれぞれが違うルートだったので空港で解散。家に帰ると爆睡でした。狂ったように寝たので逆に疲れました。
こんな感じで台湾旅行は幕を閉じました。
なんか文字に起こすとキリがないですね。
初めての海外旅行ということもあり、不安や緊張感はありましたが、そんな負の感情を忘れるくらい楽しく旅行することが出来たと思います。
「また海外に行ってみたい?」という質問に僕は「イエス」以外の解答をしないと思います。
みんな同じ人間。線引きなんてあってないようなものです。
それでは今日はこの辺りで!
ここまで読んで下さり本当にありがとうございます!
謝謝!!