太陽系探索5日目/ハレ―
マスタード色に塗られた記憶のなかでは、誰かを好きになることさえも、退屈になって気が緩む。与えられた場所で花を咲かせるために、あらゆる手を尽くすけれど、あんまり上手くいかなくて、“慣れ”というものに自分が染まっていく。このままでいいのかなあって思うけれど、時間というものは止まってくれなくて、何か分からないものに置いてけぼりになったりする。異性の人との接し方なんて分かっているフリしながら何も分かっていなくて、そんな自分に恥ずかしくなったりする。何でも“初めて”って恥ずかしい。
やっとこの頃から異性の人を気にかけるようになって、心躍るようなたくさんの出来事やイベントが発生したけれど、やっぱり慣れないものは慣れなくてずっとモヤモヤが残る。そんな、まだまだ未熟過ぎる自分が時折嫌になったりする。夏の蒸し暑さと微睡みのような、気怠いハチミツみたいなものが頭の中をゆっくりと流れていって、考えては落ち込んでを繰り返す。
それでも曖昧な勘違いを経て、少しずつ正体不明の自信を身に付けていく。何もかもが未経験だから、目の前で起こるイベントに正面で向き合っていくしかなかった。正体不明の自信を持って挑んでも、それは華麗に砕け散って、また脳内自分反省会が始まる。“まだいける”って何度も思って上手く飲み込もうとするけれど、それでもまだ大きな固形物が残っていて、きれいに咀嚼できない。そんな自分を何度も嫌になって、時々好きになったりする。どんな失敗さえも凌駕するほどの自信を持っていけたらいいのだけれど、本当の自分を見失いそうでとても怖い。そもそも本当の自分って何だろう。
こんなことを思いながら行く、地元のお盆祭りは、見る景色さえ変わらないけれど、やっぱり二度と訪れることのない青春を謳歌したいって気持ちは心のどこかに残っていて、手を繋いで楽しそうにイチャイチャしているカップルを横目に、少しの希望と大きなプレッシャーで頭が埋め尽くされる。でもやっぱり“いつかは”って気持ちが少なからずあってそんな微かな光を糧に、平坦な毎日を下手なりに生きていた気がする。