Gummy Gummy Night Festival

時空を旅する

よろしくお願いいたします。

「BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER」 1/11 日本ガイシホール ライブレポート

f:id:float_space:20180115214036j:plain

 あれは5年ほど前のできごと。WILLPOLISツアーで、初めてBUMPのライブに参戦したのが日本ガイシホールだった。しかもライブというイベント自体が人生で初めてで、どことなく幼かった自分にとっては、すごく楽しみで緊張していたのを今でも鮮明に覚えている。その当時、置かれていた状況や心境までもが、昨日のことのように思い出せる。それくらい自分のなかでは、大きくて大切な体験だった。今では当たり前のようにライブに行くことができて、当たり前のようにTwitterで繋がっているたくさんのフォロワーさんたちとお会いすることができて、5年前の自分から見れば、本当に信じられないと思うし、本当にありがたいなぁって心の底から思う。だから、この場所に来ると当時を思い出して、すごく懐かしく感じるし、少し寂しくも感じる。この感情は、実家に帰ったときのような温かさや久しさに似ている気がする。もし僕がアナザースカイに出演するときは、ガイシホールの前に立ち、カメラ目線で「ここが僕のアナザースカイ」と言っていると思います。とても感慨深い場所です。

 

 場所はアリーナでしかもA3。ステージの最前列である。人生で初めての最前列だった。正直僕みたいな人間が最前列で良いのだろうか。ここに居るべき人はもっと他にいるんじゃないだろうかって思ったりして、とても複雑な気持ちになった。こればかりは“運”と、自分に言い聞かせるけれど、でもやっぱり自分の居場所じゃないような気がした。最前列で見る権利なんて自分には無いと思った。こんなこと言っても話は前に進まないから、僕は僕の居場所で、ブロックで精一杯心から楽しもうって思った。これが、咲いた場所で輝くことなのかなって思った。

 

 今回のパスファインダーツアーでは日本ガイシホール公演は、ありがたいことに4公演目で、前回参戦した石川公演から1カ月も経たないうちにライブだったので、本当にあっという間に公演日がやってきた感覚だった。正直まだ正月気分が残っていたと思う。

 

 笠寺駅を降りガイシホールに向かう途中、足を進めるのと比例して、あの頃の懐かしさが刹那的に込み上げてくる。目の前の景色、音漏れ、グッズ売り場、すべてがすべて同じで、あの頃にタイムリープしたかのような感覚におちいった。あれから5年もの月日が流れたとは思えないくらい、僕の心は純粋で感じることは何も変わっていなかった。変わらない自分に対して、寂しい気持ちが少し心の奥で騒めいていたけれど、素直さや純心さは変わらないかたちで残っていたのを再確認できたからホッと安心できた気がした。

 

 寒空のなか、2時間くらいガイシホールを彷徨い、あっという間に開場時間になった。アリーナの入り口待機列に並び、抑えきれない鼓動の高まりと寒気から来る武者震いに感情を揺さぶられながら、ただひたすらかけがえのないワクワクする時間を待つ。入場はAブロックの人たちからだった。だから後ろの方のブロックの方は、この寒さのなか、長い時間待ちながら、入場できたとしてもステージからは遠いブロックという、少しかわいそうな待遇だなぁと思った。私たちAブロックの入場は最後でも良いから、せめて一番後ろのブロックの人たちから入れてあげてって心から思った。そんな葛藤をしながら申し訳ない気持ちを抱えながら、並び始めて10分くらいでガイシホールに入れさせてもらった。

 

 ガイシホールのなかに入ると、やはり記憶が瞬時に呼び起こされた。こんなにも頭の片隅の遠くの場所にある記憶なのに、実際にこの場所に来ると、こんなにも瞬間的に記憶が想起されることに驚きしか感じなかった。当たり前だけど、あの時この場所でBUMPのライブを見たことは嘘じゃなかったんだ、夢じゃなかったんだって、本気で感じた瞬間だった。スタッフさんに案内していただいて、ブロックへ向かう。A3ブロック。やばい。めちゃくちゃ近い。マイクスタンドが目と鼻の先だ。そして左に首を90度傾ければ、そこには花道がある。近い、近すぎた。物理的な距離はとても近かったけれど、この近さを受け入れられないもう一人の僕との距離はとても遠かった。とても近いけれどとても遠かった。そして暑い。僕は知り合いの方と一緒に参戦していたため、開演前のアナウンスも聞こえないくらい、ライブ前のテンションに身を任せてずっとひたすら喋っていた。人と話していると時間なんて忘れてしまう。会場入りしたときは、有り余ってるスマホの時間を眺めては、早く始まらないかなって思っていたのに、気が付いたら開演の1830分を過ぎていた。ずっと話をしていたので、もうすぐライブが始まる感じを全く感じられないまま、会場は暗転し、大きくて暖かい拍手とともに遂にライブがスタートする。

 

 ステージが暗くなると、4次元空間にいるかのような無機質な映像がステージの背景に流れだす。どこか分からない場所を探しさまよってるような、まるで人生を投影しているような、そんな映像。ここではないどこか、つまり、憧れや夢みたいなものを、表しているのかなって思ったりもした。そして映像が終盤に差し掛かると、ヒデちゃん、ヒロ、チャマ、藤くんの順でステージ上に姿を現す。そして藤くんは高くギターを掲げる。変わらない格好良さ。1曲目が始まる前にツアーテープが発射され、同時にパスファインダーのテーマが演奏される。冷静さを欠いたまま、右手に灯るPIXMOBを掲げて、彼らの演奏に耳を傾ける。これだけで、もう辛いことや悲しいことも全部忘れられるような気がする。また前を向いていこうって思わせてくれる。ライブが始まるまえから、もうすでに感情の整理が追いつかなかった。

 

 パスファインダーのテーマが終わると、ステージ背景に大きく「PATHFINDER」の文字が映し出される。この文字を目にすると僕はライブに来たんだって強く思い知らされる。そして本編がスタートする。

 

 1曲目は「GO」。キラキラしたイントロとともに大量の紙吹雪が目の前を埋め尽くす。最前ブロックということもあって、近すぎるメンバーと色とりどりの紙吹雪があいまって、まるで夢を見ているかのような幻想に浸っているみたいだった。GOを聞くと何故かすごく安心する。興奮しているけれど、心はとても穏やかな気持ちになる。2番のAメロ「♪なんとなくボクも走りたい チケットも持っていないのに」のチケットの部分を1オクターブくらいキーを上げて歌っていた。また同じく2Aメロでは「♪だけど走った地球の上」を「♪だから君に会いに来たんだ」と歌詞を変えて歌っていました。合っているかは曖昧で申し訳ないですが、会いに来たという言葉はきちんと聞こえたので、全部ちゃんと聴こえなくても心の耳できちんと全部聴いていたので大丈夫です。2番終わりの間奏部分では藤くんが「名古屋ーーー!!!!お前に会いに来たんだよ!!!!!!」と力強く叫んでいました。もう嬉しくて嬉しくて、泣きそうでした。いや、心のなかでは大号泣だった。もし、今回のツアーはどうしてもいけなくて、1公演だけ行くことが出来るって人もいるわけで、もし僕が当事者だったら、自然と目から涙が零れ落ちていると思います。心の底から飛び出したほんとうの言葉は、こんなにも簡単に人の感情にするりと入り込んできて、抱えている不安や悩み全部洗い流してくれて、生きる希望や勇気に変えてくれる。もう既にありがとうって、足りないくらい言いたい。

 

 2曲目は「天体観測」。突然藤くんが「♪明日が僕らを呼んだって 返事もろくにしなかった 「イマ」というほうき星 君と二人追いかけていた」と歌い上げ、私たちは「オーイエーアハン」と応える。そして、ライブVer.の始まりで天体観測の演奏が始まる。ライブの定番曲となっても、飽きることなく、紡がれる歌詞の一つひとつを噛み締めて、聴いていられる。本当に大好きな曲である。ラストサビでは「♪「イマ」というほうき星っ!」と歌い上げ、私たちは「♪今も一人追いかけている」と一斉に歌う。PIXMOBが私たちの声に反応するように光り輝く。天体観測のラストは、フェードアウトしていくことなく、ヒデちゃんが立ち上がり、ドラムに見を任せて叩く。リズム隊のみんなもそれぞれの楽器を掻き鳴らす。圧巻で凄まじい。身体中に最大公倍数的に飛び込んでくる音をすべて受け止め、ライブの空間を、ここでしか味わえない感情とともに精一杯音楽と戯れた。

 

 3曲目は「ray」。イントロのチャマのベースが良い味を出す。メンバーは颯爽と出島の先端にやってきて演奏を始める。目と鼻の先にメンバーがいる。これだけでもう胸がいっぱいだった。メンバーの口の動きや弾いている指の先まで鮮明に見ることができる。遠い存在でしかなかった彼らが今は目の前にいる、存在している。演奏している。これは夢なのかもしれないって何度も思った。最前ブロックってすごい。おそらく手をワイパーしている時は、語彙力が無くなっていて、IQ15くらいだったことだろうと思う。ラストサビ「♪確かめる間もないほどっ!」と歌って、私たちが「♪生きるのは最高だ」と応えて歌う。このパターンは初めてだったので驚いた。おそらくこれから天体観測のラストサビと同じように、rayもライブではこんな風に、お客さんに合唱してもらうのかなって思いました。生きるのは最高だって合唱できるって良いですよね。いつもあなたたちの音楽に最高にさせてもらってます。ありがとう。

 

 rayが終わるとここでチャマのMCが始まる。「ツアーパスファインダーへようこそ!」いつものテンションでチャマのMCが始まると突然、「なごやなーごや」と、今ツアーで定番化しつつある、会場名をお客さんと一体となって叫ぶコーナーが始まる。しかしチャマのなごやコールが少し間違っていたらしく、藤くんが「ちょっと待って、さっき楽屋でやってたのと違うじゃん!」と珍しくツッコミを入れていたので、一見笑いを誘っているようなこの会場名を叫ぶコールは、きちんとメンバーによる綿密な打ち合わせがあったことがここで初めて証明されました。その後は、アリーナとスタンドで別々になごやコールが始まった。こんなに大人数で「名古屋」と叫ぶことはもう二度とないかも知れないと寂しい思いを浮かべながら、チャマのコールに必死に応えた。楽しかった。なーごや~良い場所です本当に。心温まる楽しいチャマのMCが終わると会場が暗転し4曲目へ。

 

 4曲目は「宇宙飛行士への手紙」。僕は今ツアーで初めて聴く曲です。とても聴きたかった曲のひとつなので、演奏が始まった瞬間、心のなかのテンションが既にクライマックス状態でした。1番サビでは「♪それが未来の今日のうちに ちゃんと取り戻しておきたいから」と歌詞変えをしていました。また2番のトリケラトプスの箇所では、藤くんが頭の上で両手の人差し指を立て、フジケラトプスをやっていて不覚にもキュンとしてしまいました。生で、しかもこんなに間近でフジケラトプスを見れたのは初めてでした。そして2番終わりのヒロのギターソロは、ヒロが出島の先端に出てきて、ライブアレンジをして、華麗なギター捌きを披露していました。普段のヒロとは違ったギャップのある一面が見れて、僕はもう増川さんに惚れていました。そしてラストサビでは、「♪笑い合った今日がずっと 未来まで守ってくれるから」と、過去今日と歌詞変えをしていました。こんなに幸せでいられる日がずっと続けばいいなって心から思った瞬間でした。

 

 5曲目は「Ever lasting lie」。イントロを聴いた瞬間、どこからか安堵感を感じられるエバラス。2番終わりの藤くんのギターソロが見所です。とても安定した演奏で、聴いているこっちも心奪われながら、聴き入ることができました。

 

 6曲目は「記念撮影」。藤くん、チャマ、ヒロが出島の先端へやってきて、演奏を始めます。秀ちゃんのドラムに合わせて腕に装着しているPIXMOBが点灯します。アリーナ席から見渡すスタンド席、そこから放たれる光の一つひとつが蛍の儚い灯火みたいに、光り輝きます。藤くんの唄声とリズム隊の演奏とがあいまって、限りなく神秘的で幻想的な風景だった。今でもずっと瞼の裏に焼き付いている。忘れたくないなあ。

 

 記念撮影が終わると、メンバーは優雅な姿を保ちながらステージへと戻ってゆく。すると再びチャマのMCが始まる。次はメンバーの自己紹介である。「真ん中がフジ、右手がヒロ、左手の金髪がチャマ、後ろがヒデ。」と急いでいるかのように饒舌にメンバー紹介が繰り広げられる。そして観客に投げかける。「真ん中は?」「フジー!」「右は?」「ヒロー!」「金髪は?」「チャマー!」「後ろは?」「ヒデちゃんー!」「ヒデでしょっー!」とツッコミ混じりのチャマトークで会場内に笑いを誘う。そんなテンションに身を任せたチャマのMCを引き継いだままライブは7曲目へ。

 

 7曲目は「pinkie」。HAPPYカップリング曲で今ツアーの固定セトリになっている楽曲である。歌い出しは藤くんがハンドマイクで、ヒロをガン見しながら歌い出す。一瞬遠近法でガン見しているように見えているだけなのか?と、僕の目を疑いましたが、おそらく藤くんはヒロの方に体を向けて歌っていたと思います。38歳のおじさんが38歳のおじさんをガン見しながら歌っている姿に惚れ惚れとしてしまう僕は一体何なんだろうと、ふと我に戻る暇もなく、僕は楽曲に丁寧に耳を傾けていました。ツアー初日の不慣れな様子を見せながらハンドマイクで歌う藤くんも、今では慣れた手つきでハンドマイクを使いこなしていたので、なんかもう優しく頭ポンポンとしてあげたい気分でした。

 

 pinkieが終わると、ギターをアコギに変え、小さな声で「な~ごや~~」と囁く。次に少し大きな声で「な~ごや~~」と言う。そして「なごやイントロク~イズ」と少し、はにかんだ笑顔でお客さんに問いかける。そして、とある楽曲のイントロの1小節をおもむろに弾き語る。「分かった?」と言い、8曲目「スノースマイル」が披露される。スノースマイルは今ツアーで演奏するのは徳島以来の2回目である。こちらもいつか聴いてみたい楽曲だったので、すごく嬉しかった。演出も拘っており、背景には雪と雪の結晶が降り注いでいたので、クリスマスを彷彿とさせられた。僕は、揚々と歌い上げる藤くんに虜になって、拳をあげるのも忘れるくらい聴き入っていた。曲終わりのフェードアウトしていく箇所の「♪ラララ~ラララ~ラララ」は、CD音源よりも長く、余韻を残して力強く歌っていたのが印象的だった。いつまでも聴いていたかった。終わってしまうのが寂しく感じた。けれど、とても良かった。

 

 スノースマイルが終わると、4人は出島へ向かう。咄嗟に90度左に体を向けるとドラムセットが出島から現れる。そしてそこに座る秀ちゃん。その距離約5メートル。そう、つまり秀ちゃんをほぼ真横から見ている状態である。僕はもう二度と、秀ちゃんをこんなに近くで、しかもこの角度から見ることは無いかも知れないと思い、目がよじれるほど強く瞼の裏に焼き付けておこうと思った。

 

 出島から演奏された9曲目は「三ツ星カルテット」。正直僕は、ドラムを叩く秀ちゃんしか見ていなかった。たまに他のメンバーに目をちらつかせる程度で、基本は秀ちゃんから目を離さないでいた。秀ちゃんからしてみれば、おそらく怖かったであろう。だってあんなに近くから何百人もの人たちが彼を見ているのだから。でも、ドラムを叩く秀ちゃんの姿は、どこか勇ましく男らしく、そして少し可愛さがあった。また、チャマはずっと秀ちゃんの方を向いて、一音一音丁寧にリズムを取っている。チャマはそれを証明するかのように、きちんと口を動かしているのが肉眼で確認できた。僕はこの3分で完全に秀ちゃんとチャマに惚れてしまった。もしかしたら、これが本当のなのかも知れない。

 

 三ツ星カルテットが終わると、MCタイムである。チャマが藤くんにライブについて尋ねる。すると藤くんは心のこもった声で「楽しく演奏させてもらってます、どうもありがとう!」と言う。自然と沸き起こる拍手。なんて温かいんだろう。藤くんに「どうもありがとう。」って言われると心がホッコリする。それは熱さの概念がない温かさ。情があって美しい。自然が巻き起こす現象、オーロラのような、雪のような、雷雨のような、そんな類のもの。そして次にヒロにMCをバトンタッチする。「ライブどうですか?」というチャマの問いに対してヒロは、「天井が高いから、遠くまでよく見えてます!...逆光でよく見えないけれど...。」と矛盾したような回答を、微笑みを浮かべながら言い、観客に笑いを誘う。そして再び藤くんが話します。「去年にも名古屋に来て、ライブをやらせていただいたんですけど、キャパはここより少なくて、何千人だったかな。でもここは何万人の人がいて、でも人数が増えたからといって、僕たちは一人ひとりに届くように、一対一が何万通りあるように、あなたに届くように心を込めて歌っています。」という、凄く記憶が曖昧ですが、このようなMCをしていました。本当にメンバーは、リスナー一人ひとりに寄り添って、歌を届けてくれているんだなあと実感した瞬間でした。ありがとう。ちゃんと届いています。

 

 「もう一曲、ここの出っ張りでやっていいですか?」という藤くんの言葉とともに10曲目「You were here」が演奏されます。しかし、チャマの初めのベースを弾き始めた途端、藤くんが「ちょっと待って!あ、止めなくていい、止めなくていい!」と笑みを浮かべながらも、他のメンバーもビックリした様子で曲を中断し、僕も急にどうした藤原!?となり、周りの人たちも一瞬混乱を招いた様子でした。すると藤くんは「次の曲、拾った紙吹雪~っていうのがあって...」と言い出したので、僕はかわいいかよ!って思いながら、これは曲を止めて正解だったのではと心のなかで確信しました。僕は、おそらく、拾った紙吹雪という歌詞の部分で実際に足元の紙吹雪を拾って見せたかったのかな?と推測しましたが、完全にマイクから離れることになるので、結果僕は藤くんの思考にはたどり着くことが出来ませんでした。でも、お茶目でかわいい藤くんが見れたので、僕はもう満足です。ちなみにこの曲でも9割くらい目線は秀ちゃんでした。チャマも秀ちゃんの方をずっと向いて、丁寧にリズムを合わせていたので、普段のちょっとふざけたMCとは違う一面のチャマが、こんなにも近い距離で見ることが出来たので、すべてが夢みたいで愛おしかったです。アウトロの最後は、藤くんとヒロが向かい合って、ギターを弾き、演奏が終わると、お互いにグータッチを交わし合っていました。こういう姿を見ると、本当に愛おしく感じます。こうしてあっという間に魔法の時間は終わりを迎えます。出島での演奏が終わるとメンバーは再びステージへ。

 

 11曲目は「アンサー」。明るいサウンドから始まるこの楽曲。ライブ向きの楽曲と言うと少し語弊があるかもしれないけれど、とてもきれいなメロディラインで、大きく背中を押してもらえる。まだまだこの曲を深くは理解できていないけれど、それでもどこか生きる勇気をもらえたり、今の自分のままで大丈夫だよって、言ってくれている気がする。元気になれる。大好きな一曲。

 

 12曲目は「ラフ・メイカ」。メジャーデビュー曲ダイヤモンドのカップリング曲である。あの頃の尖ったバンプを彷彿とさせる、力強いサウンドで、胸ぐらをグッと掴まれたような、そんな雰囲気をこの曲から感じた。僕がバンプを知ったのは約9年前だけれど結成当初から聴いている人は、なにか心の中で思うことがあったに違いない。こうして昔の曲から最新曲まで、まんべんなく演奏してくれるのは、とても嬉しい。ありがとう。

 

 感情が追いつかないまま展開されていく曲たちに、打ちひしがれそうになりながらも、演奏された13曲目は「宝石になった日」。アルバムButterfliesに収録されている曲です。個人的にアルバムのなかでも大好きな曲です。ラストサビに入る前の「君の知っている僕は 会いたいよ」の会いたいよの部分を1音くらいキーを上げて歌っていたのが印象的でした。お別れをするのが寂しいから、その寂しさや悲しさを肯定的な言葉に託して、歌詞の中になる会いたいの部分を力強く歌い上げたのかなと思いました。僕もまた会いたいなあ。

 

 そして14曲目は「Butterfly」。イントロを聴いた瞬間にテンションが急上昇します。歌詞はこんなに切ないのに、バリバリのEDMが効いた楽曲です。僕の二の腕が限界をむかえそうになった途端にButterflyが演奏されたので、限界なんて概念なんてその瞬間に無くなり、腕に光るPIXMOBが僕のエネルギーと化すかのように、無意識にジャンプして飛んだり踊ったりしていました。すごくすごく楽しかった。ラストサビでは、ツアーテープも発射され、子どもみたいに無邪気で純粋な心で、必死になってテープを掴もうとしてました。虹色に光り輝くPIXMOBがそれぞれの個性や生き方を表しているようで、目の前のかけがえのない景色のなかには、楽しさだけじゃない、ドラマがあったような気がしました。そういうものをあの時、感じとった気がした。本当に楽しかった。心から子どもになれた。こういう体験は、ずっとずっと大切にしたいなあ。ありがとう。

 

 ヒロとチャマは出島で演奏していたため、ステージに戻ってきます。するとチャマは、いつのまにかツアーテープまみれに。それを見て藤くんは「何か色々拾ってきたね~。」と、おばあちゃんのような優しい口調でチャマに問いかける。するとチャマは、藤くんのマイクスタンドに金テープを掛ける。藤くんは「あら、分けてくれるのね。なんかしゃちほこみたいだね。」と優しさ混じりちょっとした小ボケ混じりのかわいいおじちゃんになってました。もう、なんか、かわいい。すべてが、かわいい。僕はもう彼らに恋しているのかも知れない。

 

 そんなかわいい劇場が終わると藤くんが「声聞かせて下さい!」と言い、すぐに15曲目「fire sign」が演奏される。fire signのイントロを聴くとなぜか、ふいに泣きそうになる。これは僕が元々この楽曲が大好きで、聴いているとどこか切なくなる個人的な理由もあるのだろうけれど、やはりもうちょっとでライブが終わっちゃうから、という理由が一番強い気がする。とてもとても寂しくなる。今この文章を書いていても、やっぱりライブを思い出して泣きそうになっている。本当にこの曲が大好きだ。そして、そんな寂しさを良い意味でかき消すかのように、恒例となっている後半の合唱部分のヒロのコーラス分けが始まる。「は...始めは右側の人から!つ...次は左側...左の人ね...。」文章ではとても伝わりにくいが、グダグダなのである。でもそんなヒロがヒロらしくて大好きだ。途中で「がんばれー!」という掛け声も聞こえてきた。僕も心の中で「ヒロ頑張れっ!」って精一杯応援していた。グダグダなヒロのコーラス分け。微笑みながら戸惑う観客。これの繰り返しである。始めに右側の人と左側の人とでコーラス分け。次にチャマにお手伝いしてもらい、高い方と低い方とでコーラス分け。最後に好きな方で歌うコーラス分けの計3種類をヒロが仕切りきった。グダグダでも精一杯声を出して、私たちに届くように頑張っていた姿が僕には輝いて見えた。そんなヒロの姿を見ていたら不思議と恋心が芽生え始めてきたような気さえする。仮に僕が女性ならもう完全にノックアウトされていたことだろう。良い意味で増川さんはずるい。あの可愛さはヒロしか出せない気がする。まとめるとヒロ大好きだよってことです。ヒロのコーラス分けが終わると、藤くんも出島の方にやってきて、一緒に合唱をする。藤くんが出島にやってきたとき、ヒロは少し緊張が和らいだのか、リラックスしたような表情を浮かべていた気がする。かわいい。僕は全精力で声を出し、疲れ切った体に飛び込んできたのは、曲が終わりステージに戻る途中、藤くんがヒロの肩に手を伸ばし、慰めるようにポンポンと柔らかく肩を叩いている姿だった。藤くんの優しさが相まみえた瞬間だった。そんな一瞬の出来事を見ただけで、今まで辛いことも悲しいことも、あんな風にして、お互いがお互いに支え合って、ここまでやってきたんだなあって感じとれた。素敵だなあって心で思った。

 

 楽しい時間はあっという間に過ぎていき、気付けば最後の曲に。16曲目は「リボン」。「今日はどうもありがとう。」藤くんの寂しそうなマイク越しの声に乗せて嵐の中へ。とても寂しかった。悲しかった。もうライブが終わってしまうという現実がただただ寂しくて切なかった。本当にあっという間だった。2番サビでは「意地や恥ずかしさに 負けないで 心で 正面から 受け入れるよ」と歌詞変えをしていました。全力で受け入れてもらいました。今までのライブ以上に、って書くと語弊を招くかも知れないけれど、本当に早く瞬く間にライブが終わってしまったような感覚がある。心から楽しんでいるときって、時間を忘れてしまう。本当にその通りだと思った。最後の一音まで丁寧に耳で受け止めて、ライブは終わりを迎えました。ありがとうの思いを彼らに伝えるように、伝わるうに精一杯手を振る。彼らは颯爽と舞台裏へ。そして会場は暗転する。

 

 すると、周りからアンコールのコールがざわめく。しかしコールはバラバラで「なごや~」と言う人、「supernovaのランラーララーラー」と言う人、「fire signラーラーララララララー」と言う人、それぞれがそれぞれのアンコールを歌う。大多数はチャマのなごやコールだったが、コールが早く難しいため、中々揃わない。しかし、メンバーには届いたのか、すぐにステージが明転し、メンバーがツアーTシャツに変身してステージ上に現れる。チャマはいつものように、iPhoneを片手にお客さんを映す。僕はチャマのインスタに何とかして映ろうと、家ではしゃぐ子どものように、無邪気なからだで精一杯ジャンプして手を振る。「アンコールありがとうー!」とチャマが叫ぶ。そして、みんなで写真撮影に。藤くんが肉声でカメラマンの古溪さんを紹介し、僕は本当にいつもありがとうございますと、心のなかで感謝しながら、からだ全体で大きくピースサインをする。写真撮影が終わると、チャマのMCが始まる。そう、物販の話である。チャマ曰く、ツアーは冬なのにTシャツをこんなに作って売れるんですか?とスタッフさんから言われたそう。しかし、チャマは一つも外すことは出来なかったらしく、チャマの案をすべて受け入れて販売することにしたそう。そしてチャマは言う。「冬が来たら何が来るの?」こう問いかける。私たちは咄嗟に「春ー!」と応える。すると「春が来たら次は何が来るの?」「夏ー!」間違いない事実だ。ここは日本で、ちゃんと四季がある。「夏になると着れるでしょ!」と少し強引な気持ちで買ってほしいことをお客さんに伝え、最後には「お願いします!」と言っていた。僕はチャマの言葉に思いに貢献したかった。けれど経済的な理由であまり貢献出来なかった。チャマごめんね。でもちゃんとグッズはいつも通り金銭感覚を失うかのように買ったから許してね。そんなことを思いながら、アンコールが始まる。チャマは「来い!楽器来い!」とフォースの力で楽器を呼び寄せていましたが、結局自分でベースを取りに行くという、一人ノリツッコミをして会場に笑いを誘っていました。

 

 そしてアンコール1曲目「ダイヤモンド」が演奏される。しかし、藤くんがAメロの途中で「ちょっと待って!チャマ電源が入ってない!」と言って珍しく演奏を止めていました。チャマは「フォースの力が足りなかった!ホントごめん!」と謝り、再び演奏が始めから再開される。この場面を見て僕は、当たり前かも知れないけらど、彼らはちゃんと音楽を心を込めて私たちに届けようとしているんだなあって思いました。きちんと音を大切にしているから、私たちに届けたい思いがあるから、藤くんは途中で演奏を止めたのかなって思いました。おそらく藤くんは、ほとんど無意識で演奏を止めたと思う。じゃないとあの早さでベースが鳴ってないことに気づかないような気がする。音楽を大切にしている彼らだからこそ、突然のハプニングにも臨機応変に対応できるんだと思った。演奏が始まる前から、もうすでに僕の心はいっぱいいっぱいだった。何回転んだっていい。一つだけ大切なものを、抱き抱えてあげればいい。そんなことを改めて教えてもらった。ありがとう。

 

 ダイヤモンドが終わると「もう1曲やってもいいかい?」と藤くんが言う。温かい拍手とともにアンコール2曲目が始まる。アンコール2曲目は「流星群」。イントロが切なすぎる。もう本当に本当に終わりなのかあって、そんな寂しさを抱えたまま、僕は光っている腕の光をメンバーに見せるように、やさしく左右に手を振る。ラストは歌詞を加えて、「♪この曲が終わればさよならだ ようやく出会えたよにさようならだ 君と歌えた 出会えた 出会えた」とても曖昧だけれど、こんな風に付け足していた。彼らも僕と同じように、もしくは僕ら以上に寂しい気持ちを抱えているんだなぁって思った瞬間だった。そして、ライブは幕を閉じた。

 

 メンバーは楽器を置き、お客さんに向かってリストバンドやツイストバンド、タオルやペットボトルを投げる。特に藤くんが投げたツイストバンドは、僕の2メートルくらい先にいた人が、凄まじい反射神経でスパッとキャッチしていたので、おめでとう!という感想よりも、反射神経抜群やん!と、なぜか驚きの感情の方が勝っていました。取った方はホントにとても良い顔をしていて、こっちまで幸せをおすそ分けさせてもらった気分でした。最後に藤くんがMCをする。「今日は本当にどうもありがとう。音楽はいとも容易く物理的な距離を飛び越えてしまいます。聞いてくれるあなたたちがいて、始めて曲が完成します。僕たちはずっと音楽を続けていくので、また新しい曲が出来たら、抱きしめてあげてやってください。今日は温かくして寝てね。バイバイ。おやすみ。」とても要約したけれど、こんな言葉を残して藤くんは舞台裏へ去っていきました。

 

 「音楽はいとも容易く物理的な距離を飛び越える。」藤くんのMCで一番印象に残っているところです。こんな言葉がさらっと出でくる辺り、彼は本当に繊細で思慮深い作詞家なんだなぁと思いました。僕は何回彼らの音楽に勇気をもらったか分からないけれど、ずっとずっと彼らの音楽を抱きしめて、そしていつまでも応援していきたいと思った。ライブ中は、4人の仲の良さを見ることができたり、寂しいって言葉を言わなくても、どこからか寂しさが伝わってきたり、本当にかけがえのない体験をさせてもらったと思っています。あの空間にいられたこと。あの空間を作ってくれたたくさんの人、一人ひとりに感謝を申し上げたいです。2.3時間のライブをするために、どれだけたくさんの人たちが考えて、行動して、試行錯誤してを繰り返したのか、僕には想像がつかないけれど、それでも僕は、すべての人に心からありがとうを言うことができる。どうしてもこの5文字だけじゃ足りないけれど、僕は声を大にして言いたいです。このような素敵な演出と歌声を届けてくれて本当にありがとうございます。とてつもない元気と勇気をもらえたよ。そして、ツアーがあと1ヶ月もせずに終わってしまうという事実に、驚きと悲しみしかない。だけど、彼らにはゆっくり休んで欲しいという気持ちもあったりして、感情が紆余曲折しています。また音楽を届けてくれる日を楽しみに毎日を生きようと思います。側にいなくても、音楽はいつでも側にいるから、大丈夫だと思う。

 

 

 なごやぁぁぁああああああなたがぁぁはぁぁぁなぁぁああならぁぁぁああああああ!!!!!!!

 

 

 藤くんがテンション上がって披露したなごやコールの花の名Ver.です。声が心配でしたが、思いは強く伝わってきました。ありがとう。

 

f:id:float_space:20180115214250j:plain

 

 

ではでは!★★★★

 

          参考:LiveFans | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】